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足りない

2011.11.07 02:12|狼陛下の花嫁 ss
*狼陛下(黎翔×夕鈴)
*ss 2


今回も未来設定。
今度は二人は夫婦です。またまた寝所ネタを含んでしまっているのて、R15かもかもかも。

それでもok! と言う方のみお進みください;;
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「足りない…」

「はい?」


突然こぼしたその言葉に、優秀な側近はぴたりとその手元を止め、訝しげに私を見た。


「…なんですか?藪からぼうに。」



眉をひそめ、見るからに苛立ちが伺える。

人払いがされた政務室に二人。次から次へととどまることのない案件を片付けている真っ最中であった今、脈絡もなくこぼれた私の言葉はあまりにも不似合いなものだったらしい。


しかし、それに構っていられないくらい今の私はまいっていた。今までこらえていたものが一気に押し寄せてついに仕事を放り投げ、背もたれに沈みこんだ。



「夕鈴が足りない…」



今日、私は彼女に一度も会っていなかった。それどころか彼女の姿をまったく目にもしていない状況が続いている。もう気づけばあたりは夜が更け、そろそろ皆が寝静まる時間が迫っていた。



「彼女は寝てしまっただろうか…」



自身の中の彼女が渇ききっていた。彼女に会いたい、触れたい。そればかりが頭をめぐり己の奥から沸き起こる欲で狂ってしまいそうだ。


その愛らしい顔で、私を見て、その可愛い声で私を呼んで欲しい。そんな君を欲の思うままに食らいつきたくてたまらない。



「はぁぁぁ――――。」



そんな私に李順はわざとらしいくらいのため息をついた。



「また"正妃"ですか。今日の不機嫌の原因もやはり彼女なのでしょうね。」


彼女の名前が出たとたんに眉をよせた李順。無言の私に肯定ととったらしい側近はいつもの説教始めた。


「まったく、正式な夫婦になり、少しはましになられるかと思えば…。夕鈴殿夕鈴殿と、何がそんなに彼女を気に入っていらっしゃるのか未だに理解できませんが、そんなことで臣下を怯えさせるのは困ります。怖がって今日はひとつも審議が儘ならなかったではありませんか。」

「いつもと変わらん。恐れられるのは毎度のことだろう。それに審議が儘ならなかったのは、下らんことばかり言うからだ。」



そんなことはどうでもいい、と正直思う。そんなやつらに裂く時間などないのだ。



「…そんなに彼女に会いたかったのなら、いくらでも会いに行く機会はあったでしょうに。」



一気に機嫌を悪くした私に気づいたのか、これ以上言うことなく、不満気な表情をした李順はいった。



(行けることならとっくに行っている。)



その言葉に苛立ちが増す。そう、行けることなら会いに行ってる。こんな夜更けまでたいして急ぎでもない仕事することもなく、あの可愛らしい妻を直ぐ様抱きしめに。



「何か夕鈴殿とあったのですか?」

「…」

「彼女もまた、明らかに態度がおかしかったものですから。」



隠し事や態度を偽る事が苦手な彼女の様子が目に浮かぶ。きっと私には怒っているが、正妃としての責任もあり、どうしたら良いのかで不振な行動をしているのだろう。


そんな彼女すら思い起こすと愛しくてたまらない。自然と口元が緩むのを感じる。そこまで彼女に溺れている自分に気づき苦笑した。




(これ以上彼女の思うままにしてはおけないな。)


たとえ、私に負があっても。彼女にはもう十分な時間を与えたはずだ。



すると彼女に会いたい想いがぐっと更にわき起こり、もう止められない。



「李順、今日の責務は終わりだ。私は休むとする。」

「陛下!?」



そう先程までの弱りきった様子が消え失せ、薄く笑いながら去ろうとする私に李順は驚いたようだった。


けれど、李順には構っていられない。なにか背後で騒ぐ側近に背を向け、足早に彼女のいる後宮へ向かった。




―――――――――――――――
――――――――………




後宮に着くと、寝静まったあとのようだった。突然前触れもなく訪れた狼陛下に女官たちは驚き、妃から断るよう言われていたのか必死に止めようとする。

それを軽く振り払って何とか中へ入ると、中は静まり、薄暗かった。慣れ知ったものでその闇夜の中をスタスタと歩き、彼女に眠る寝台にそっと近づく。


スー、スー――……

覗き込むとどうやら寝ているようだ。狸寝入りか?とも思いそっと彼女の頬に手を寄せるがまったく起きる気配がない。



「夕鈴――――……」



一日ぶりの彼女が目の前にいる。たった一日だと言えばそれだけの期間。けれど、私にとっては一日とて彼女に会えないことは拷問に近いものだった。

昨日の最後に見た怒り顔の彼女とはうって違い、目の前の彼女は微笑んでいる。その笑みは触れたとたんに増し、そして彼女から更に寄ってきたように感じて、思わず笑みが溢れる。久しぶりの彼女、指から伝わる体温、それにふっ、と自身の何かがみなぎる。


けれど、



(足りない…)


こんなものでは、まったく足りない。

一日お預けをくらった狼はその欲にのまれ、更に自身を満たすそれを求めた。



するり、と指を動かし彼女の唇に触れる。形のよい、触れあうと甘く、しびれるように酔いしれ、離れさせなくする紅。


親指の先で彼女の唇を薄く開かせると自身を重ねる。


「…んっ…―――――」


もれる彼女の吐息すら逃すのも惜しく、食らいつくように彼女を覆った。


角度をかえ、何度も何度も。奥ふかく、欲のままに彼女を求め、舌を絡ませる。


まだ、…まだ足りない。もっともっと彼女が欲しい。



触れても触れても、いくら食らっても満たされることはない。触れれば触れるほど満たされない渇きに襲われ、彼女を求める。


触れれば恐ろしく甘く、酔わせ、離さない。離れれば求め、求めては触れる。その繰り返しだ。



(まるで媚薬のようだ…)



求めずにはいられない。疼いて疼いて、狂おしい。



「――っん、――……んんっ!?」



ぴちゃり――…


触れあう隙間から音がもれ、吐息も熱を帯びてきた頃、彼女は目を開いた。



夕鈴は突然現れた私と行為に驚きながらも、与えられる快楽に酔い、戸惑っているようだ。



「はぁ、――――…んっ…ぁ」



それにかまうことなくその行為を続ける。



「――――…っはっ!!」



しばらくして息も絶え絶えになり、彼女が涙を浮かべ出した頃、やっと名残惜しく一度唇を離した。




「―…っ、なっ、にをしてるん、ですかっ!?」



酸素を求め、呼吸を荒げながらも彼女はすぐにその愛らしい顔をしかめつめよってくる。



「夫と妻が寝所を共にする、といったら一つしかないだろう?」

「なっ!?」



その言葉に顔を赤め、焦り逃げようとする彼女を素早く捕らえ組み敷く。異論も拒絶も受付などしないつもりだった。渇きは限界をとうに越えている。



「今したら、もう一週間会いませんからっ!!」



しかし、必死な兎の言葉に再び口づけようと近づけた顔をぐっと押さえた。

いくらはぐらかし、丸め込むのが上手い私でも彼女が本気になると手が出せない。結局嫌われるのが恐い私は彼女に弱いのだ。



「はぁ―――……」



素直に手を引いた狼に兎はとても安心したようで、その表情を緩めた。

けれど直ぐにその表情を引き締め、私を睨めつける。


「私たち、喧嘩してましたよね?」


静かに彼女が聞いてきた。その声音は怒りが帯びている。


「そんな覚えは私にはない。」

「じゃぁ、私が昨日怒って言ったことは覚えていらっしゃいますか!?」


臆する訳もなく言いはなったそれに彼女は更に怒りを増したようだ。



「それは、覚えている。」



忘れたくとも忘れられない。『しばらく顔も見たくありません!!』その言葉せいで今日は一日中苦しんだのだから。



「だったら反省してください!」


そう言い放つとふい、と彼女は顔を私からそらす。これは相当怒っているらしい。



「…そんなに私に、触れられるのが嫌なのか?」



そんな彼女に不安と怒りが入り交じる。



「―……っっ、そんなんじゃありません!!」



キッ、と彼女は顔を再び私に向けた。



「そうじゃないんです…そんなんじゃなくてっ!!」


「昨日の夜、君を一度も離さず、朝も君を求めようとしたことか?」


「っっ!!――――…っ、それもですけどっ、私が一番怒っているのは、女官がいるのに口づけようとしたり、抱き締めたり、際どい言葉をいったりするのを止めてくださいと言ってるんです!!」


顔を赤らめ、彼女は懸命に訴える。



「女官はたいして気にも止めん。夫婦なのだからそれくらいのことは当たり前だろう。」

「私が気にするんです!!」


しれっと言いはなった私に更に声を荒げた。



「恥ずかしいんです!!私は陛下みたいになれていないので!!」



真っ赤になり怒りながらも涙を浮かべ、上気し赤く染まる表情で言われても、少しも迫力がない。寧ろそれはとても愛らしく、誘っているようにしか見えない。

でも、


「…慣れている、とはなんだ?」


さらっといいはなった彼女の言葉がひっかかる。



「そっ、それはっ、」



声を鋭くした私を恐れたのか、先程までの勢いが弱まった。



「へ、陛下はいつも余裕で、そ、そういう行為に慣れきっているんじゃないか、って」



びくびくと伺いながら彼女は答える。



「余裕、などない。」



びくっ、腕の下で彼女が震えた。


「へい、か…?」

「夕鈴…、君が足りない…」

「…え?」



純粋な目が私を捕らえる。鈍感な彼女は今のでは理解ができないらしい。



「余裕などない、毎日この渇きに耐えるのは…。」


「へいっ「君はどれくらい私が君を待ち、どれほど焦がれていたかわかるか?」


ぐっ、と彼女の腕を押さえつける力を強める。


「なかなか妃にならない君を待ち続け、やっと我がものに出来たというのに、余裕などない。それに…」


さらり、と美しい栗色の髪をひとふさすくい口づける。


「慣れてなどいない。…こんなにも誰かを欲した事はない、君だけだ。」



そんな私にぼっ、と夕鈴は真っ赤になって口をパクパク慌て始める。



「君が足りない…」



求めても求めても、満たされない欲。それは彼女が正妃になっても衰えることなどなく、それどころか増すばかりで。



「…昨日の事は私が悪かった。君の恥ずかしがる姿があまりにも可愛くて、ついやり過ぎてしまったのだ。」


「君が嫌がることは止めるとしよう。だからやっと得た二人きりの時間を私から奪うのは取り止めてくれないか?」



もう彼女を怒らせ、一日でも会えず、触れられないのは限界だ。



「陛下…」


おとなしくなった彼女の頬に手を触れる。



「私こそ、怒ってしまって、ごめんなさい。」


小さく彼女が呟いた。


「本当に、私、ただ恥ずかしくて…、」


申し訳なさそうに恐る恐る私を見上げる。



「…だから、陛下に触れられることとか、嫌だとかじゃないんです。…こうされるのが未だに夢みたいで…。私もあの時はバレないようにと必死だったから…」



「本当は嬉しいんです、こうやって、陛下といられること…」



でも、やっぱり人前は嫌ですけどね。と彼女は頬を染めていった。



「君は……」


「へい…っっん!?」



そんな彼女に思わず口づける。



(満たされないはずだ…)


私はやっとこの渇きの理由に気がついた。

愛しくて、愛しくて、たまらない。
自分は自分でもわからないほど深く彼女を愛している。



その想いは沸き起こるばかりで、とどまることを知らない。


だから渇きも絶えない。常に私は彼女が足りなくなり求めるのだろう。



(結局、)



「君が悪い…」

「えっ!?」


君が私を惹き付けるから。君が私を飢えらせるから。


満たされないのなら満たすまで食らえばいい。


慌て暴れる彼女をしっかり寝台に押さえつける。まだまだ夜は長いのだ。


「はぁっ、んっ――…」



渇ききった狼はにやりと笑いその白い首筋に食らいつく。その腹を満たすまで、その夜、一晩中兎は彼から逃れることはかなわなかった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



やってしまいましたー。未来設定、夫婦ネタ!!これ大っ好きなんです私。本誌では得られない、夕鈴と陛下の甘いお話…。他のサイトさまでいつもいつもきゅんきゅんさせていただいていて、絶対サイトをもったらこの設定で書きまくろうって思っていたんです。でもでもでも、やっぱり皆さまのお話が素晴らしすぎて、素敵すぎてもっと頑張らなきゃーと思った次第です。はい。精進しますっ!!


今回の設定として、少し気を付けたことがあったんですけれど。そのひとつ。李順は夕鈴が正妃となっても態度は変わりません。表向きには、正妃をたてるし、そういう対応をしますが、夕鈴の今度は正妃教育係でもあるので。やっぱり李順は変わってほしくないな、っていうのが一番の理由ですけど^^

そしてもうひとつが、陛下。陛下が不機嫌だと常に狼陛下かなぁーと思い、今回は狼陛下オンリーでかかせていただきました。狼陛下だと攻めるのが楽ですねー。仔犬攻めも可愛らしい感じにしていいなっとも思いますが♪
今回はお話的に仔犬になることはなかったのですが、不機嫌で狼な陛下→誰も近づけない、ずっと狼→夕鈴に会うと次第に仔犬化 なイメージなんですよね~私。今度はそんなお話も書きたいなぁ。


では、細かいお話まで失礼しました⌒*°
あたたかい目で見ていただけると幸いです。


2011.11.7







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テーマ:二次創作:小説
ジャンル:小説・文学

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